低出生体重児・
早産児の違い

低出生体重児・早産児とは

本来の意味は「からだの機能が未熟な(成熟していない)状態で生まれた赤ちゃん」のことですが、かつて早産児(在胎37週未満)あるいは小さく生まれた(出生体重2500g未満)赤ちゃんのことを「未熟児」と呼んでいた時期がありました。しかしながら、児の状態を医学的に正確に表していないことから、現在は出生体重とママのお腹の中にいた期間(在胎期間)によって分類されるようになりました。
産科、産婦人科、新生児科、小児科のお医者さんはこれらの分類を目安に赤ちゃんへの対策を考えています。

出生体重による分類

生まれたときの体重による分類では、2500g未満を「低出生体重児」と呼び、さらにその中で1500g未満を「極低出生体重児」、1000g未満を「超低出生体重児」と呼びます。
日本では出生数が減少しているものの、低出生体重児の数は毎年増加しています。全体の出生数に占める低出生体重児の割合は、40年前は出生の5%前後でしたが1)、現在は9.4%(2019年)にまで増加しており、世界平均の6.6%(経済協力開発機構37か国 )2)と比べても非常に高い数字です。これは、不妊治療による双子や三つ子の赤ちゃんが増えたことや、新生児医療の進歩により、超低出生体重児の赤ちゃんも救出できるようになったことが大きな要因として挙げられます。

低出生体重児

2500g未満 で生まれた赤ちゃん

極低出生体重児

1500g未満 で生まれた赤ちゃん

超低出生体重児

1000g未満 で生まれた赤ちゃん

低出生体重児の多くは早産(妊娠22週から37週未満)で生まれた赤ちゃんですが、「子宮内胎児発育制限」児は、在胎期間は正期産でも出生体重が2500g未満と小さく生まれることがあります。妊娠期間に比べて体重が小さい赤ちゃんは、赤ちゃん自身になんらかの問題を抱えている場合や、ママからの酸素や栄養分を運ぶ胎盤や臍帯のはたらきが不十分で栄養の蓄えが少ないために小さく生まれたなどの場合があります。

出典

  1. みずほ情報総研株式会社 小さく産まれた赤ちゃんへの保健指導のあり方に関する調査研究会:低出生体重児保健指導マニュアル. 平成31年3月
    (https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000592914.pdf) [2021年5月25日確認]
  2. OECD:Health at a Glance:Asia/Pacific 2020
    (https://www.oecd.org/health/health-at-a-glance-asia-pacific-23054964.htm)[2021年5月25日確認]

在胎期間による分類

出生体重による分類とは異なるもうひとつの分類方法として、在胎期間による分類があります。
赤ちゃんは通常、在胎37~42週未満でママのお腹から生まれてきます。これよりもお腹の中にいる期間が短いと「早産児」(在胎37週未満)、長いと「過期産児」(在胎42週以上)といいます。
赤ちゃんのからだは、ママのお腹の中に40週前後いることで外の世界に出てくる準備が整います。そのため、在胎37週未満で生まれてきた赤ちゃんは通常からだが小さく、からだの機能が未熟な場合があります。日本では「低体重出生児」 と同様、年々増加の傾向にあり、全出生数のうちに占める早産の割合は5.6%(2019年)と報告されています。

早産児

在胎37週未満
生まれた赤ちゃん

正期産児

在胎37~42週未満
生まれた赤ちゃん

過期産児

在胎42週以上
生まれた赤ちゃん

早産児の大敵、RSウイルス感染症

毎年流行するかぜなどの感染症ですが、その原因となる数多くのウイルスの中で乳幼児が重症化しやすいもののひとつがRSウイルスです1)。その感染力は、ほとんどの子どもが2歳までに一度はRSウイルスに感染するといわれているほどです2)。RSウイルスによる下気道感染症は、生後1年以内の子どもが入院する主な原因と報告されています3)
RSウイルスは大人が感染しても鼻かぜ程度で済みます。赤ちゃんが感染した場合は通常は38~39度の発熱や鼻水、せきなど普通のかぜの症状となり、1~2週間くらいで治ります4)

ところが、症状が悪化すると細気管支炎や肺炎など重症化することがあり、さらに呼吸困難などにより入院が必要になる場合があります。

早産児は、早く生まれてきたぶん、ママから受け取る抗体も少なく5)、また呼吸器の機能が未発達なため6)、重症化する危険性が高くなります。生まれつき心臓や呼吸器に病気をもっている赤ちゃんも、早産児と同様に注意が必要です7)

出典

  1. Domachowske JB. & Rosenberg HF.: Clin Microbiol Rev. 12(2), 298-309, 1999
  2. Piedimonte G. & Perez MK.: Pediatr Rev. 35(12), 519-530, 2014
  3. Rossi GA. & Colin AA.: Eur Respir J. 45(3), 774-789, 2015
  4. 国立感染症研究所:「RSウイルス感染症とは」
    (https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/317-rs-intro.html) [2022年8月23日確認]
  5. Yeung CY. et al.: Lancet. 1(7553), 1167-1170, 1968
  6. Hussain M. et al.: Biochim Biophys Acta Mol Basis Dis. 1863(12), 3226-3242, 2017
  7. Wang EE. et al.: J Pediatr. 126(2), 212-219, 1995
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