あったか・冬対策

あったか・冬対策

監修

東京医療保健大学・大学院臨床教授楠田 聡先生

冬のお出かけで気をつけること

寒さを防ぐ

寒さを防ぐ

冬のお出かけは、赤ちゃんがかぜをひいてしまうのではと心配になるかもしれませんが、外出は赤ちゃんにとってはよい刺激にもなります。赤ちゃんはまだ体温調節機能が発達しておらず、気温の影響を受けやすいので、気温が高くなる昼過ぎに出かけるようにしましょう。
防寒着は、車や抱っこひも、ベビーカーなど、移動手段によって変えるのがポイントです。たとえばベビーカーで出かけるときは、上下がつながっていて足元まで全身が包まれるオールインワンがおすすめです。近ごろは、赤ちゃんをすっぽりと入れて寒さから守るフットマフ、ベビーカーの背中側に敷く暖かいシート、風や雨をさえぎるベビーカーカバーなどさまざまな防寒グッズがありますので、用途に合わせて活用しましょう。

乾燥に気をつける

乾燥に気をつける

空気が乾燥している冬は、肌が乾燥しがちです。赤ちゃんの皮膚は大人の半分の薄さで刺激に弱く、皮脂量も少ないので、大人以上にかさつきやすくなります。肌が乾燥して、バリア機能が低下すると、病原菌などが入り込んだり、肌荒れが進んだり、アレルギーの原因物質が侵入することもあります。屋外は室内と違って、周りの空気を加湿することができません。朝や入浴後にスキンケアを行うのはもちろんのこと、お出かけの前も保湿剤を塗って、冷たく乾いた風にさらされる肌を守りましょう。

温度の調整がしやすい服装で

温度の調整がしやすい服装で

冬のお出かけでは寒さ対策が必要な一方で、洋服の着せすぎにも注意が必要です。赤ちゃんは、実はとても汗っかき。汗をたくさんかいてそのままでいると、汗腺が詰まってあせもの原因となります。赤ちゃんは体温調節可能範囲が狭いので、冬でもあせもができてしまうことがあるのです。
デパートなどは暖房が効いていて暑すぎる場合もあります。赤ちゃんが背中に汗をかいていたり、顔を赤くしたりしていたら暑すぎのサインです。濡れタオルなどで汗をふいて清潔にするとともに、洋服を脱ぎ着させ、室温に合わせて調整しましょう。

感染症を予防する

感染症を予防する

冬はインフルエンザなどのウイルス感染症が流行する時期です。赤ちゃんがさまざまなウイルスにさらされることがないよう、お出かけのときはできるだけ遠出を避け、人ごみのなかに連れていかないようにしましょう。屋外であっても人とは十分な距離を取るようにし、公共交通機関は混んでいない時間帯に利用する、エレベーターが混み合っているときは一本遅らせるなど、密集を避けることも大切です。外出先で赤ちゃんに触れるときは、手指を消毒してからにしましょう。
外出後は、赤ちゃんの手を洗うことも忘れずに。石鹸を使うのが難しければ流水で洗うのでも十分です。洗うことができなければ、濡れたタオルなどでしっかり拭きましょう。

冬にかかりやすい
赤ちゃんの病気

冬はいろいろな感染症が流行する季節です。
赤ちゃんの様子が普段と違うときや、気になる症状があるときは、かかりつけ医に相談しましょう。

いろいろな感染症

  • ロタウイルス感染性胃腸炎

    【特徴】ロタウイルスが腸に感染することで起こる胃腸炎で、5歳ころまでにすべての子どもが感染するとされています1,2)
    【症状】潜伏期間は2日間で、血便や粘血便を伴わない下痢、吐き気、嘔吐、発熱、腹痛が主な症状です。発熱と嘔吐から症状が始まって、24〜48時間後から水のような便が何回も出ることがあります1)
    【流行時期】年末から流行し始め、4月ごろにピークを迎えます1)
    【感染経路・治療・予防】主な感染経路はヒトとヒトとの間で起こる経口感染です。抗ウイルス薬はなく、点滴や経口補水液により栄養や水分を補給したり、整腸剤を使ったりするなど、下痢、脱水、嘔吐に対する対症療法が行われる場合があります1)
    感染力がとても強く、感染予防は難しい病気です。胃腸炎の重症化を防ぐための経口ワクチンが定期接種となっています。接種回数が異なる2種類のワクチンがあり、どちらのワクチンであっても、初回は生後6週から生後14週6日までに受ける必要があります2)

    出典

    1. 国立感染症研究所:「ロタウイルス感染性胃腸炎とは」
      (https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/3377-rota-intro.html) [2021年11月12日確認]
    2. 厚生労働省:「ロタウイルス」
      (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/rota_index.html) [2021年11月12日確認]
  • ノロウイルス感染症

    【特徴】ノロウイルスを原因とする胃腸炎や食中毒で、牡蠣など二枚貝から感染することが報告されています1,2)。さらに、ノロウイルスが付着した人の手や指、食品などを介して感染が広がります。
    【症状】1〜2日の潜伏期間を経て、主な症状である吐き気、嘔吐、下痢があらわれることが多いでしょう。腹痛、頭痛、発熱などがあらわれる場合もあります1,2)
    【流行時期】12月から3月が流行のピークです1)
    【感染経路・治療・予防】ヒトへの感染経路は、主に経口感染(食品、糞口)です1,2)。抗ウイルス薬はなく、点滴や経口補水液により栄養や水分を補給したり、整腸剤を使ったりするなど、下痢、脱水、嘔吐に対する対症療法が行われます。赤ちゃんは脱水や体力の消耗にも気をつけましょう2)
    ウイルスは熱に弱いため、加熱が必要な食品は十分に加熱しましょう。調理をする人はしっかりと手を洗い、二枚貝を扱った調理器具は、アルコール消毒ではなく、次亜塩素酸ナトリウムや熱湯で消毒を行います。また、ノロウイルス感染症を発症した人の便や嘔吐物に含まれるウイルスから周囲の人が感染してしまうこともあります。これらの汚物を処理するときには、使い捨てのエプロン、マスク、手袋などを着用し、汚物が付着した物は次亜塩素酸ナトリウムや熱湯で消毒しましょう。処理した後は十分に手を洗うことも大切です1,2)

    出典

    1. 国立感染症研究所:「ノロウイルス感染症とは」
      (https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/452-norovirus-i) [2021年11月12日確認]
    2. 厚生労働省:「ノロウイルスに関するQ&A」
      (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html) [2021年11月12日確認]
  • RSウイルス感染症

    【特徴】RSウイルスに感染して発症する呼吸器の病気です。2歳までに、ほぼすべての子どもが感染するといわれています1)。RSウイルスによる下気道感染症は、生後1年以内の子どもが入院する主な原因と報告されています2)
    【症状】軽いかぜのような症状から重い細気管支炎や肺炎まで症状はさまざまです。潜伏期間は2〜8日で、通常は、38〜39度の発熱や鼻水、せきなどの普通のかぜのような症状があらわれ、1〜2週間くらいで治るのが一般的です。しかし悪化してしまうと、細気管支や肺の症状があらわれることがあります。とくに、生後6か月未満の赤ちゃんは重い細気管支炎や肺炎などになることもあります3)
    【流行時期】夏ごろから翌春にかけての流行が報告されています。ただし、流行の時期は都道府県ごとに異なると報告されています3,4)
    【感染経路・治療・予防】主な感染経路は、飛沫感染と汚染された手指や物品を介した接触感染です。RSウイルス感染症の治療薬はなく、必要に応じて酸素を投与したり点滴をしたり対症療法を行います3)。 予防が大切ですが、ワクチンはありません3)。日ごろから外出の後や調理・食事の前、鼻をかんだ後などに石鹸でよく手を洗いましょう。おもちゃなど赤ちゃんのまわりのものは、アルコールでこまめに消毒しましょう。

    出典

    1. Piedimonte G. & Perez MK.: Pediatr Rev. 35(12), 519-530, 2014
    2. Rossi GA. & Colin AA.: Eur Respir J. 45(3), 774-789, 2015
    3. 国立感染症研究所:「RSウイルス感染症とは」
      (https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/317-rs-intro.html) [2021年11月12日確認]
    4. 国立感染症研究所:「IDWR 2013年第36号<注目すべき感染症>RSウイルス感染症」
      (https://www.niid.go.jp/niid/ja/rs-virus-m/rs-virus-idwrc/3972-idwrc-1336-01.html) [2021年11月12日確認]
  • インフルエンザ

    【特徴】インフルエンザウイルスによる感染症で、乳幼児や高齢者は重くなりやすい病気です1,2)
    【症状】1〜3日程度の潜伏期間のあと、主に高熱や頭痛、全身の倦怠感、筋肉痛や関節痛などの症状があらわれます。それらが突然あらわれるのがインフルエンザの特徴で、そのあと鼻水やせきがあらわれることもあります1,2)
    【流行時期】1月から3月ごろに流行します1)
    【感染経路・治療・予防】主な感染経路はせきやくしゃみの飛沫により感染する飛沫感染です2)。医師が必要と判断した場合、抗ウイルス薬を服用します。多くの場合は、安静にし、栄養や水分を補給して自然に治るのを待ちます2)
    予防するには、流行期に人ごみを避けることのほか、周囲の大人がウイルスを持ち込まないようマスクを着用し帰宅後手洗いすることが大切です1)。任意接種ですが、インフルエンザウイルスワクチンもあり、生後6か月から接種することができます2)

    出典

    1. 国立感染症研究所:「インフルエンザとは」
      (https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/219-about-flu.html) [2021年11月12日確認]
    2. 厚生労働省:「インフルエンザQ&A」
      (https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html) [2021年11月12日確認]
  • かぜ(感冒)

    【特徴】ライノウイルス、コロナウイルスなどさまざまなウイルスや細菌が原因で起こる病気の総称です1)
    【症状】主な症状は、せきや鼻水、発熱、頭痛、全身の倦怠感などです1)
    【流行時期】気温と湿度が低くウイルスが活発になる冬に流行します。
    【感染経路・治療・予防】飛沫感染、接触感染、経口感染により感染します。ウイルスが原因のかぜであれば、抗菌薬は効かないため、鼻水を減らす薬や解熱剤などの対症療法を行います。症状が軽い場合は、安静にし、栄養や水分を補給して自然に治るのを待ちます1)
    かぜの原因となるウイルスは多く、一度治ってもほかのウイルスに感染して何度もひくことがあります。インフルエンザと同じような予防をすることが大切です。

    出典

    1. 一般社団法人日本呼吸器学会:「呼吸器の病気」
      (https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=2) [2021年11月12日確認]

冬を乗り切るための体調管理

適した室内の温度・湿度は?

適した室内の温度・湿度は?

冬の室温は20〜25度に保ちましょう。空気が乾燥しているとかぜをひきやすくなるので、加湿も大切です。加湿器などを利用して湿度が50%前後になるように調節します。エアコンやファンヒーターの温風が直接当たると皮膚や粘膜が乾燥するので、暖房機器を使用するときは風向きに注意しましょう。赤ちゃんがハイハイを始めたら、熱い物を触ってやけどをする事故が多くなります。ストーブには柵をつけるなど事故を防ぐことが大切です。
1日に数回窓を開けるなど、こまめに換気をし、部屋の空気を新しくしましょう。外気と室温の温度差がある冬は、窓ガラスや壁に結露が発生しがちです。結露はカビの原因になり、アレルギーの原因になるダニを増やすことにもつながります。結露はきちんと拭いておきましょう。

低温やけどや熱中症に注意

低温やけどや熱中症に注意

電気カーペットなどの暖房機器を使用するときは、低温やけどにも注意が必要です。赤ちゃんの皮膚は薄いので、40度から55度くらいの比較的低い温度でも、長時間接することで低温やけどになってしまうことがあります。低温やけどは、熱さや痛みを感じにくいため気づきにくく、気づいたときには深いやけどになってしまっていることも少なくありません。
また、暖め過ぎによる熱中症を避けるためにも、赤ちゃんを電気カーペットの上に寝かせることはやめましょう。湯たんぽや電気毛布を使うときは、寝る前に使用して寝具を暖め、寝るときには外します。

冬の入浴時に気をつけたいこと

冬の入浴時に気をつけたいこと

赤ちゃんは汗っかき。冬でも肌が汚れるので、1日1回は入浴して清潔を保ちましょう。浴室や脱衣所は冷え込みがちなので、赤ちゃんと入浴するときは、暖房機器を使ってあらかじめ浴室と脱衣所を暖めておきます。日中の気温が高い時間帯に入浴してもいいでしょう。
お湯の温度は、大人には少しぬるいと感じるかもしれませんが、40度くらいが適温です。冬だからといって、「体を芯から温めなければ」と長時間入らなくても大丈夫です。入浴後は汗がひいてから洋服を着せてあげましょう。保湿も忘れずに行ってください。

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