早産児の発達

最初は小さくても気にしないで

早産児はママのお腹から早く生まれてきたので、そのぶん、正期産児と比べるとからだが小さいもの。NICUなどに入院しなければならないほど早く生まれた赤ちゃんは、出生体重が2000g以下である場合も多く、ときには1000gに満たないほど小さな赤ちゃんもいます。在胎期間35~37週未満の比較的大きな早産児でも、2500g以下で生まれてくることが多く、正期産児と比べるとやや小さめです。
赤ちゃんの大きさや体重は、親族や友人からも「何グラム?」と悪気はなく尋ねられることも多いもの。「あら、小さいわね」「ちゃんと育つの?」などという言葉に傷つけられることがあるかもしれません。

赤ちゃんの体重は、正期産出生の体重の目安である3000g前後と覚えている人が多いので、小さめ赤ちゃんだといろいろ心配になることも多いでしょう。「うちの子はからだが小さいけど、ちゃんと大きくなるのかしら…」と不安になるママがいるのも無理はありません。
しかし、はじめは小さめでも、その子なりに必ず成長していくものです。最初は難しいかもしれませんが、早産児ですからはじめは小さめなのはしょうがないことと肝を据えて、かわいいわが子の成長にきちんと向き合うことがハッピーな早産児育児のヒケツです。

NICUとは

Neonatal Intensive Care Unitの略で、新生児集中治療室のこと。低出生体重児や、病気や障害をもつ新生児を専門に治療する施設。

修正月齢で見守っていこう

早産児の発達や成長については、実際に生まれた日ではなく、もともとの出産予定日だった日を基準に考えていきます。これを修正月齢といいます1)。つまり、出産予定日より2か月早く生まれてきた早産児は、生後1か月で修正月齢マイナス1か月、生後2か月で修正月齢0か月、生後6か月で修正月齢4か月とするのです。そう考えると、たとえば2か月早く生まれてきた早産児(在胎期間32週)は、生後2か月(修正月齢0か月)で身長約45cm以上、体重約2200g以上あれば、正期産出生と変わらない大きさといえます。

もし、これ以下の大きさでも、在胎期間が短く出生体重が少ない赤ちゃんほど成長がゆっくりになる傾向がありますが、その子なりに着実に成長しています。
身長や体重が思うように伸びず、どうしても成長に気がかりがある場合は、主治医の先生に率直に聞いてみることも大切です。低身長の場合、早期に治療を開始することで治療できる場合もあります。

出典

  1. みずほ情報総研株式会社 小さく産まれた赤ちゃんへの保健指導のあり方に関する調査研究会:低出生体重児保健指導マニュアル. 平成31年3月
    (https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000592914.pdf) [2021年5月25日確認]

いつ発達・成長が追いつくの?

正期産児でも大きめ、小さめ、発達が早い子、ゆっくりな子がいるように、早産児も成長や発達には大きな個人差があります。ですから、母子健康手帳の乳児身体発育曲線などの発育グラフに一喜一憂せず、その子の生まれたときからの成長をトータルで見ていくことが肝心です。
目安として、出生体重が1500g以上の早産児は1歳ごろまで、出生体重1250~1500gの早産児は2歳ごろまでには、身長・体重、発達ともに正期産児に追いつく(キャッチアップする)ことが多いようです。出生体重がそれ以下の早産児も、もう少し時間はかかりますが、ほとんどが6歳ごろ、遅くとも9歳ごろまでには身長・体重、発達ともに追いつくとされています。

ただし、何らかの病気や障害がある場合や、その子個人のペースにより、成長や発達がゆっくりになるケースがあります。成長や発達が気になる場合は、お医者さんに相談し、定期的に健診を受けるようにしましょう。

極低出生体重児の発育曲線

体重の推移 (各体重群の平均):男児

体重の推移 (各体重群の平均):男児

体重の推移 (各体重群の平均):女児

体重の推移 (各体重群の平均):女児

板橋家頭夫 他:平成4年度厚生省心身障害研究「ハイリスク児の総合的ケアシステムに関する研究」
「極小未熟児の生後の発育曲線の作成」

早産児と障害について

早産児は、在胎期間によって幅の大小がありますが、発育・発達過程において何らかの問題が生じる可能性があります。ただし、在胎期間35~37週未満の早産児は、発達も成長予後も正期産児とほとんど変わらないと考えられています。
一方、出生体重が1000g未満の超低出生体重児や1500g未満の極低出生体重児の予後については、現在、大規模な症例登録事業が行われ、その集計結果が報告されています1)。わが国の周産期医療の進歩にともない、障害の発生率の減少が認められています1)

もし、障害が心配な場合は、自分ひとりで悩んだり自己診断したりせずに、主治医の先生や地域の保健師さん、児童相談所などに相談することが大切です。そして適切な診断やアドバイスを受け、早めに治療やリハビリをスタートさせることで、障害を最小限にくいとめることができます。

出典

  1. 河野 由美:日本周産期・新生児医学会雑誌. 56, 203-212, 2020

障害が残るといわれたら

もし、大切な赤ちゃんに障害が残るといわれてしまったら、障害の軽い重いに関係なく、大変な衝撃を受けることと思います。その辛さは、言葉では言い表すことができないほどでしょう。
どのような障害が残るのかわかったら、まずお医者さんに疑問点をよく聞いて、障害について理解を深めることが大切です。できることならご主人やそのほかのご家族も一緒に話を聞き、赤ちゃんの周りの人すべてが障害についての知識を得ることが望ましいでしょう。

いずれの障害についても、乳児の場合は的確に状態をつかむことが難しいので、定期的に健診を受け、予後を見守ることが肝心です。

一応の目安として、修正月齢7か月ごろまでにおすわり、修正月齢1歳6か月ごろまでにあんよをはじめない場合は、小児科の先生か地域の保健師さんに相談してみたほうがいいでしょう。おすわりやあんよなどの運動発達が遅れている場合、単に発達がゆっくりな子どもである可能性もあるので、自己診断はせず、主治医の先生に必ず相談してください。

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