早産児の衣食住

赤ちゃんを迎える準備をしよう

ベビーベッドはなるべく硬いマットを選ぶ

病院から帰ってきた赤ちゃんが、一番長い時間を過ごすのがベビーベッド。
赤ちゃんの布団は、ふわふわなものを選んであげたくなりますが、敷布団(マット)は、なるべく硬めのものを選びましょう。やわらかい敷布団だと赤ちゃんの顔が埋もれて窒息する危険があり、また背骨などの発育にも影響を及ぼす可能性があるからです。特に早産児は、呼吸や骨の成長などに注意を払ったほうがいいので、病院のベビーベッドの硬さなどを参考にマットや布団を選びましょう。

洋服は2ウェイタイプが便利

新生児用の洋服を買ってきても、小さめの早産児には大きすぎることも多いのではないでしょうか。
そこでおすすめなのが、身長50~70cmに対応する2ウェイタイプの新生児服。裾のスナップをはめかえることで、おくるみになったり、足つきのロンパースになったりします。これなら小さめ早産児でも、可愛らしくくるんでオシャレもできます。しかも身長70cmになるまで着られますから、デザインや素材によっては1歳くらいまで、もたせることができます。海外のブランドには、早産児~新生児用の「preemie(プリーミー=早産児)」サイズがあるブランドもあります。

チャイルドシートは寝られるベッドタイプを

基本的には、からだが小さい早産児も、車に乗るときにはチャイルドシートに乗せなければなりません。からだがやわらかく、衝撃の影響を受けやすい早産児は特にチャイルドシートで運転中の衝撃や万一の事故から保護する必要があります。
もし、からだが小さすぎてチャイルドシートが合わない場合は、冬は厚めの服を着せる、夏は背中の下にバスタオルを入れるなどして調節しましょう。からだが前屈すると呼吸が妨げられる恐れがありますので、新生児用のチャイルドシートは横に寝られるベッドタイプのものを選ぶようにしましょう。

授乳、離乳食について

母乳やミルクを飲んでくれない!

「母乳(ミルク)を飲む量が少ない」とは、早産児のママに限らず、赤ちゃんのママたちからよく聞かれる悩みです。
食欲旺盛で母乳(ミルク)の飲みの心配がないという赤ちゃんは少数派。ほとんどの赤ちゃんは、ムラ飲みやチビチビ飲みなどでママを困らせます。だから早産児ママも、「うちの子は早産だったから、あまり飲まないのかしら」と悩まずに、「いつかは飲むだろう」と気を大きくもちましょう。
生まれたばかりのときにあまり母乳(ミルク)を飲まなかった赤ちゃんが、離乳食はもりもり食べたり、幼稚園に入ったら突然よく食べるようになったりすることはよくあることです。もし、あまりにも母乳やミルクの飲みが悪い場合は、母乳だったらミルクにしてみたり、ミルクの銘柄を変えてみたり、哺乳瓶の乳首の材質を変えてみたりすると、よく飲み始めることもあります。

離乳食はいつ始めるの?

離乳食は修正月齢で5か月くらいからスタートします。進め方は母子健康手帳や一般の育児本に書いてあるとおりでかまいません。ただし、呼吸器や消化器に何らかの障害がある場合や、病気を治療している最中などには、お医者さんに相談しながら始めたほうがいいでしょう。

参考

  1. 母子衛生研究会 編:小さく生まれた赤ちゃん 第3版. 母子保健事業団. 2021
  2. 厚生労働省:授乳・離乳の支援ガイド (2019年改訂版). 2019年3月
    (https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04250.html) [2021年5月25日確認]

赤ちゃんにとって気持ちいい環境をつくる

基本的には普通の赤ちゃんと同じでOK!

赤ちゃんが退院してきたということは、お医者さんが「もう普通のおうちの環境でも大丈夫」と太鼓判を押してくれたということ。だから基本的には、一般の育児本にある新生児育児と同じでかまいません。
ただ、正期産の新生児と比べてからだが小さい場合が多いので、沐浴やオムツの交換、着替えなどには気を使うことでしょう。でも、沐浴のときに片手で両耳を押さえやすかったり、ミルクを飲ませるときも軽くて楽だったり、意外といい面も多いかもしれませんね。

室温・湿度管理はしっかり

退院して1か月くらいは、赤ちゃんは体温調整が十分にできないので、エアコンや洋服の枚数で温度調節してあげましょう。室温は18~20度くらいがベストです。
子どもは1枚少なく着せるとよくいわれますが、新生児の時期は大人よりも1枚多く着せるようにします。ときどき背中に手を入れて、汗ばんでいるようなら下着を着替えさせ、室温を下げたり、服を1枚脱がせたりします。
冬は乾燥、夏は湿気に注意することも、快適な環境をつくるためには重要です。湿度は70%くらいがちょうどいいので、加湿器や除湿器を使うなどして調節してあげましょう。

予防接種はどうする?

早産児は免疫力が弱い場合が多いので、スケジュールどおりに受けさせたほうがいいでしょう。予防接種ガイドラインでも、明らかな先天性免疫不全などにより接種が推奨されない赤ちゃんでない限りは、「予防接種の原則は、一般乳児と同様に適用する」こと、「NICU・GCU入院中の有無に関わらず、ワクチンの投与時期は暦年齢に従う」こととしています1)
ただし接種の順番は、季節や上の子がいるかどうか、そのとき流行している感染症などによって、多少変わることがあります。小児科のお医者さんは予防接種のスケジュールについて、いろいろアドバイスをしてくれることがありますので質問してみましょう。

日本小児科学会が推奨する
予防接種スケジュールはこちら

出典

  1. 予防接種ガイドライン等検討委員会 監:予防接種ガイドライン2020年度版. 公益財団法人予防接種リサーチセンター. 2020

治療費、診察費の保障制度

高度な医療による入院費用には給付制度があります

高度な新生児医療を受けられるNICUは、重症度に応じて1日8~10万円もの入院費がかかります。1000g未満で生まれた超低出生体重児では、約3~4か月の入院が必要になりますから、入院費用は1000万円以上もの金額に! しかし、出生時体重2000g以下の早産児は、入院費用のうち、健康保険の自己負担分が未熟児養育医療給付制度により給付されます。

養育医療の自己負担額は、所得に応じて決められています。自治体によってはこの養育医療の自己負担額も、乳幼児医療費で給付されることがありますから、病院や役所に問い合わせてみましょう。ただし、おむつ代などの保険適用外のものは自費で支払います。
出生時体重2000g以上の早産児でも、自治体によってさまざまな補助制度がありますので、一度、病院や役所に問い合わせてみてください。

帝王切開は保険が適用される

帝王切開や吸引分娩などでは保険が適用されるので、分娩費用が大幅に減額される場合があります。その場合も出産育児一時金(国保の場合42万円、社保の場合42万円プラスα)はもらえるので、忘れずに申請しましょう。

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